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あの人の森は?
あの人の“森”語り:安珠さん

あの人の森は?

あの人の“森”語り

磐梯山の森と私は「同じチーム」なのです。 第十一回ゲスト 安珠さん プロフィールはこちら

調和を求めて自然療法、アロマテラピーへ

福島県福島市で、田んぼや果樹園の外側にぐるっと山がある風景を見て育ちました。中学に入って「プチ登校拒否」になった時、母が裏磐梯に連れて来てくれて、それをきっかけにまた学校へ行くようになりました。すっかり忘れていたんですが、そこで母と一緒に焼いたお茶碗が実家に残っているのを先日見つけて……。その裏磐梯が、最近私が暮らし始めた場所。なにか縁があったのかな。

 

学校に行くと必ず途中で辞めたくなる、というのを繰り返しながら(笑)、大学卒業後は東京でデザインや広告制作の仕事をしていました。スクール情報誌の仕事をしていた頃、「バラの花は朝の5時に摘み取ります」というアロマテラピーの学校の広告が目にとまったんです。香りが人の心や体に影響するというのが不思議な感じで、すごく興味深く思われて。

それがきっかけで、当時まだ日本では珍しかったアロマテラピーの学校に通い、アロマテラピーサロン勤務を経て、自分でセッションルームを開きました。都会に暮らしていても身体は自然の一部なんですよね。だからアロマテラピーのような自然療法にみんな魅力を感じる。だけど、クライアントさんが来てトリートメントをして癒されて帰っても、戻っていく生活環境と自分自身のギャップがあると、そこでまた不調和な状態になってしまう。

そんなことから、人と取り巻く環境との「調和」みたいなことを考えるようになりました。一方で、自分自身も「本当の意味では自然とつながっていない、調和していないかもしれない」と疑問を抱きはじめたんです。たとえば、植物を見ると知らず知らずに「これは薬草か雑草か。人の役に立つか、立たないか」と区別していた。何かおかしいなという感覚がありました。

 

二つの出会い。パーマカルチャーと奄美の森

そんなとき出会ったのが、パーマカルチャーです。植物や石や昆虫など自然界を構成する要素間に、調和した良い関係性がたくさんできるようにデザインし、自然界の生産性を高めるというのが、パーマカルチャーの基本的な考え方。私の仕事は、アロマテラピーを受けにくる方が「自分らしい状態でいられる」ようにすること。ひとりひとりがそうやって調和していくこと。あ、同じことだ!これでいいんだ!と思ったんです。

もう一つの出会いは、奄美大島の森。パーマカルチャーで気づきを深めつつも迷いの中にあった頃でした。何となく入りたいなあと誘われる森があって、一人でふらっとね。

入るとそこは亜熱帯の森ですから、巨大な植物が茂っていて生命力がグワーッと濃い。最初はすごく怖い感じがしました。と同時に、なぜかすごく進んで行きたかった。どんどん進んでいく内に、途中から「ちゃんと植物たちがここに居てくれる」という安心感に変わったんです。しかも「あ、空気が変わったな」と思ったら、バーッと海が広がっていたのね。一人で森に入って怖かったけど、それを乗り越えて海が見えた……自分がすごく自然に受け容れられた感じがしました。

 

それから浜辺でガジュマルの木に座って瞑想して。「自然界に何か恩返しがしたいけど、どうしたら良いでしょう?」と問いかけたら、「自分が感じたことをそのまま自分の言葉で伝えていけば良いんだよ」とメッセージをもらいました。自分と自然がつながって調和した一番強い体験でしたね。

磐梯山や森と同じチームの一員として

奄美大島の森での体験から、自分が自然界の一部として仲間にしてもらった感じがして、感覚が変わってきました。今は裏磐梯の山で暮らすようになりましたが、森やいろいろな自然に感謝しながら、自分が磐梯山や森と「同じチーム」に思えてきました。このエリアと自分が調和して、仲間として外から来る人を迎える。そんな気持ちです。

 

パーマカルチャーの創始者、ビル・モリソンの言葉に「自然は森になりたがっている」というのがあります。荒れ地でも放っておけば草が生え、木が育ち、最終的には森に向かっていくという自然の本質を言っています。森というのはそういう存在だし、私たちも森があれば生活に必要なものはすべていただける。とても豊かな場所なんですよね、本来は。

森林療法などもこれからやって行きたいことの一つです。ただ、森に来て癒されて都会に帰るというリトリートの場所であるだけでなく、何か気づきや学びがある。そんな場にしていきたい。

森があるから人間も生きてこられたんだ、ということを伝えていけたら良いなあと、今ここで思っています。

 

プロフィール

安珠

パーマカルチャー・ハーバリスト
ソマティックエデュケーター
 

グラフィックデザイナー、編集・制作の仕事を経て、フリーライターとして独立。自然界の力や人間の身体への興味からアロマテラピーを学び、1996年、アロマセラピストとして活動をはじめる。都内で個人セッションルームを運営するほか、医療現場へのアロマテラピーの普及を目指して活動。精神科、心療内科などで施術・指導を担当。2006年頃から自然とのより深いつながりを取り戻すためパーマカルチャーを学び、2008年から東京都心部から神奈川県の相模湖に移住、健康と自然環境・社会環境を同時に考えるエコロジカル・メディスンを研究。関連分野の執筆や取材、講演、ワークショップなどを行う。トランジションタウンという脱石油をめざした地域づくりのコンセプトに出会い、相模湖でのコミュニティづくりにも取り組む。2009年11月より磐梯朝日国立公園内にある福島県・裏磐梯に移住し、自然と共生する持続可能でホリスティックなライフスタイル、地域づくりに挑戦中。

くるみです。

著書『ストレスケアのためのアロマテラピー』(東京堂出版)
  『アロマテラピーとチーム医療』(東京堂出版)
  『アロマテラピー占星術』(BABジャパン)
翻訳『ハーバルタロット』(BABジャパン)

 

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